ボイラー溶接士(普通・特別)

ボイラーの溶接作業に必要な国家資格です。

職種・業界:

ボイラー溶接士

資格の種類:
試験方法 :
受験資格 :
受験申込日: 各試験日の2ヵ月前から2日前まで
試験実施日: [前期(学科)]:9月頃
[後期(学科)]:2月頃
※実技試験は学科試験の概ね1ヵ月後
合格発表日: 実技試験の概ね1ヵ月後
受験地  : 北海道・宮城・千葉・愛知・兵庫・広島・福岡
取得方法 : 試験合格後に免許交付申請
有効期限 : 2年間

【メリット】社内評価★☆☆  こんな資格

 ボイラーは、容器内が高圧になるため、応圧箇所などの溶接作業は、容器自体の安全とともに作業の安全にも努める必要があります。こうした圧力容器にはほかに、化学プラントなどで用いられる第1種圧力容器と、ガスボンベなどの第2種圧力容器がありますが、小型のものを除くボイラーと第1種圧力容器について溶接作業を行うには、ボイラー溶接士の免許が必要になります。
 免許には、すべてのボイラーと第一種圧力容器の溶接作業ができる特別ボイラー溶接士と、溶接部の厚さが25mm以下の場合など条件付きで作業ができる普通ボイラー溶接士の2種類があります。
 ボイラー溶接士の免許は、国家試験に合格して、免許証の交付を受けることによって取得できます。普通ボイラー溶接士の試験を受けるには、1年以上の溶接作業経験があることが要件となります。そして、普通ボイラー溶接士の免許取得後、ボイラー溶接の実務経験を1年以上積むことによって特別ボイラー溶接士の受験資格が与えられます。免許は2年の有効期間が設けられていて、更新をするためには、溶接技術の判定を受ける必要があります。
 ボイラーやプラント設備関連の製作所においては、必須の資格です。

【専門性】知識★☆☆ 技能★☆☆ こんな試験

 試験は、学科試験と筆記試験から成ります。
 学科試験は、5肢択一のマークシート方式で、ボイラーの構造や工作方法、溶接方法や作業の安全などに関する知識が問われます。全体で60%以上の得点が合格ラインで、学科試験に合格すると実技試験に進みます。
 実技試験では、溶接技術が試されます。普通ボイラー溶接士の試験では、被覆アーク溶接と呼ばれる、母材と溶接棒の間に火花を散らして溶接する方法で、下向きと立向きの姿勢で溶接します。特別ボイラー溶接士の場合は、同じく被覆アーク溶接を横向きで行います。溶接した試験片を曲げてみて、しっかりと接合されているかどうかを判定します。
 試験は全国7地域の安全衛生技術センターで年に2回実施されます。学科試験に合格して、実技試験に不合格の場合は、学科試験の試験日から1年以内の試験に限り、学科が免除されます。

【目安】費用3~5万円(※普通ボイラー溶接士の場合)こんな勉強

 学科試験については、市販のテキストや参考書を使って独学でも習得できます。また、受験対策の講習会なども行われていますので、そうした機会を利用するのもお薦めです。
 実技試験は、溶接の実務を通して技術を磨くことになります。
 なお、溶接にはいくつかの方法がありますが、実技試験ではアーク溶接が試され、また受験資格となる実務経験においても、ガス溶接や自動溶接の経験は含まれませんので注意が必要です。
 ちなみにアーク溶接の業務を行うには、アーク溶接特別教育講習を修了して、アーク溶接作業者資格を取得する必要があります。

参考書・問題集
  Amazon(本)

試験概要

◆主催団体
  公益財団法人 安全衛生技術試験協会
●学科試験
ボイラーの構造及びボイラー用材料/ボイラーの工作及び修繕方法/溶接施行方法の概要/溶接棒及び溶接部の性質の概要/溶接部の検査方法/溶接機器の取扱方法/溶接作業の安全/関係法令
●実技試験
[普通ボイラー溶接士]:下向き突合せ溶接及び立向き突合せ溶接
[特別ボイラー溶接士]:横向き突合せ溶接
◆合格基準
●学科試験:全体で60%以上の得点
●実技試験:全ての溶接片が、曲げ試験の判定に合格すること。
◆合格率
普通ボイラー溶接士:学科・実技とも60~70%程度
特別ボイラー溶接士:学科70%程度、実技70~90%程度


 
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