建築士
建築物の設計に携わる技術系の国家資格です。
職種・業界: | 建築に関する資格 |
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資格の種類: | 国家資格(業務独占資格) | |
試験方法 : | 技能試験あり | |
受験資格 : | 学歴要件あり , 実務要件あり | |
受験申込日: | [二級・木造]:4月上~中旬 [一級]:5月上~中旬 |
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試験実施日: | [二級] 学科:7月上旬の日曜日 設計製図:9月上旬の日曜日 [木造・一級] 学科:7月下旬の日曜日 設計製図:10月中旬の日曜日 |
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合格発表日: | [二級・木造]:12月上旬 [一級]:12月下旬 |
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受験地 : | 全都道府県 | |
取得方法 : | 試験合格後に登録 | |
有効期限 : | 生涯有効 |
【メリット】社内評価★★☆ 独立開業★★☆ こんな資格
建物の設計から工事管理までを行いますが、対象となる建物の違いによって、二級建築士・一級建築士・木造建築士に分かれます。二級は木造建物と比較的小さな鉄筋コンクリート造の建物、一級は大型のビル・マンションを含むすべての建物、木造建築士は2階建てまでの木造建物が対象範囲です。
建築士になるには、試験合格後に登録申請をして、二級・木造は都道府県知事、一級は国土交通大臣の免許を受けます。それぞれの試験の受験資格は、建築に関する学歴と実務経験年数によって決まります。
二級・木造の場合は、大学・短大・専門学校・高専卒で建築課程を履修していれば実務経験不要、高卒で建築や土木課程を履修していれば3年以上の実務年数、学歴なしであれば7年以上の実務年数が必要になります。大卒でも土木課程の履修であれば1年以上の実務年数が必要になるなど、履修内容によって条件は異なります。
一級の場合は、大卒で2年以上、短大・高専卒で4年以上などの実務年数が要件となりますが、このほかに、二級建築士であれば4年以上の実務年数で受験資格が得られます。
なお建築士法改正により、平成21年度以降に入学の場合は、学歴要件・実務要件がさらに細分されますので注意が必要です。
建築士のおもな職場は建築士事務所ですが、建築士として3年以上の経験を積んだ後、所定の講習を受けて管理建築士となれば独立開業も可能です。また、二級・一級の取得者は土地家屋調査士の平面測量・作図試験が免除になるほか、一級取得者は建築施工管理技士の学科試験や弁理士の論文試験の選択科目(理工Ⅰ)が免除になるなどの特典もあります。
【専門性】知識★★☆ 技能★★☆ こんな試験
学科試験と設計製図試験があり、学科試験に合格すると設計製図試験に進みます。設計製図試験が不合格の場合は、翌年・翌々年の2年間(2回)の試験は学科試験が免除されます。
木造建築士と一級建築士は、試験日程が重なるため同じ年度に両方を受験することはできませんが、二級と木造、もしくは二級と一級は同一年度の受験が可能です。
学科試験は、二級・木造は5肢択一のマークシート問題で、一級は4肢択一のマークシート問題になります。法規の科目については法令集の持ち込みが可能です。
設計製図試験は図面作成です。試験日の約2~3ヵ月前に課題が公表されますが、図書要求の詳細がわかるのは試験当日になります。当日は、筆記用具のほか、定規や製図版などの製図用具を持ち込んで試験に臨みます。
【目安】費用10~80万円(※二級建築士の場合)こんな勉強
大学の建築学科の出身者であれば、指定科目をひととおりは履修していますので、市販の参考書や問題集を使いながら独学で合格することも可能です。
それ以外の人であっても、ある程度建築の素養があれば、学科試験に関しては独学での合格は可能でしょう。
一方、設計製図試験については、正確に素早くきれいに描くといった技能の要素が加わりますので、慣れやトレーニングによって大きな差が出てきます。独学で修得するには難しい分野ですから、スクールに通うなどして、先生に教わりながら勉強するのが効率的です。
また、試験によって難易度にかなり開きがありますので、一級だけでなく滑り止めとして二級も受けておくことや、学科試験後に一級の学科合格が難しそうであれば、設計製図の勉強は可能性の高い二級に絞る、といった戦術も必要です。
参考書・問題集
Amazon(本)
Amazon(PCソフト)
通信講座
[BrushUP学び]で探す(建築士の通信講座)
スクール
[BrushUP学び]で探す(建築士のスクール)
ケイコとマナブ.netで探す(二級建築士のスクール)
試験概要
◆主催団体
公益財団法人 建築技術教育普及センター
◆試験科目
●二級建築士、木造建築士
[学科試験]:学科I(建築計画)/学科Ⅱ(建築法規)/学科Ⅲ(建築構造)/学科Ⅳ(建築施工)
[設計製図試験]:あらかじめ公表された設計課題についての設計製図
●一級建築士
[学科試験]:学科I(建築計画、建築積算等)/学科Ⅱ(環境工学、建築設備等)/学科Ⅲ(建築法規等)/学科Ⅳ(構造力学、建築一般構造、建築材料等)/学科Ⅴ(建築施工等)
[設計製図試験]:あらかじめ公表された設計課題についての設計製図
◆合格基準
●二級建築士、木造建築士
[学科試験]:各科目とも50%超、かつ全体で60%以上の得点
[設計製図試験]:Ⅰ~Ⅳの4段階評価のⅠ(上位60%程度)
●一級建築士
[学科試験]:各科目とも50%超、かつ全体で72%以上の得点
[設計製図試験]:Ⅰ~Ⅳの4段階評価のⅠ(上位40%程度)
◆合格率
二級:20%程度、一級:10%程度、木造:40%程度