技術士(補)

技術者にとって権威あるスタンダードな国家資格です。

職種・業界:

技術士

資格の種類:
試験方法 : ,
受験資格 :
受験申込日: [第1次試験]:6月上旬~7月上旬
[第2次試験]:4月上旬~5月上旬
※第1次は技術士補、第2次は技術士試験
試験実施日: [第1次試験]:10月上旬の祝日
[第2次試験]
筆記試験:8月上旬
口頭試験:12月上旬~1月上旬の1日
合格発表日: [第1次試験]:12月中旬
[第2次試験]:3月上旬
受験地  : 北海道・宮城・東京・神奈川・新潟・石川・愛知・大阪・広島・香川・福岡・沖縄
※第2次試験の口頭試験は東京
取得方法 : 試験合格後に登録
有効期限 : 生涯有効

【メリット】社内評価★★★ 独立開業★☆☆ こんな資格

 科学技術の発展のために設けられた、文部科学省所管のアカデミックな資格です。技術者としての基本的な素養と専門能力の証明になります。
 証明される技術部門は、機械、船舶・海洋、航空・宇宙、電気電子、化学、繊維、金属、資源工学、建設、上下水道、衛生工学、農業、森林、水産、経営工学、情報工学、応用理学、生物工学、環境、原子力・放射線、総合技術管理の合計21部門になります。
 国家試験は第1次試験と第2次試験があり、第1次試験は総合技術管理を除く20部門、第2次試験は21部門で行われます。第1次試験に合格すると技術士補、第2次試験に合格すると技術士となる資格が与えられ、試験合格後に日本技術士会に登録をすることによって、技術士補・技術士の称号が与えられます。
 第1次試験は誰でも受験できますが、大学の理工系学部の指定された教程の修了者は、無試験で技術士補となる資格が与えられます。
 第2次試験を受験するには、計画・研究・設計・分析・試験・評価・指導に関する7年以上の業務経験があるか、技術士補となって4年以上の業務経験があるなど、受験資格に制限があります。総合技術管理部門に関しては、さらに3年の業務経験が上積みされるなど条件が厳しくなります。なお大学院での就業もキャリアとして認められ、2年を上限に業務経験に含めることができます。
 技術士(補)は、理工系の権威ある資格として認知されていますので、就転職やキャリアアップはもちろん、教職や技術コンサルタントなどの独立開業にも有利です。

【専門性】知識★★☆  こんな試験

 第1次試験(技術士補)は、基礎科目・適性科目・共通科目・専門科目の4科目について5肢択一のマークシート方式で行われます。
 各科目に合格基準があるため、どれもおろそかにはできませんが、なかでもウエイトが高いのは共通科目と専門科目です。共通科目は大学の理工系の教養課程、専門科目はその専門課程と同レベルの問題が出題されます。専門科目は20の技術部門から1部門を選択して解答します。なお、大学の理工系の学位取得など、一定要件を満たす場合は共通科目が免除されます。
 第2次試験(技術士)は21の各技術部門ごとに行われます。筆記試験と口頭試験があり、筆記の合格者のみ口頭試験に進むことができます。
 筆記試験は、選択科目と必須科目について論述式で行われます。たとえば機械部門の試験であれば、選択科目は機械設計・材料力学・熱工学といった専門分化された科目の中の1科目について、必須科目は機械部門全般に関わる業務能力について試されます。
 筆記試験に合格すると、口頭試験までの間にA4サイズ2枚程度の論文を提出します。内容は、専門分野に関する技術的体験論文で、この内容も踏まえながら口頭試験が行われます。
 受験者は、第1次試験は30代半ば、第2次試験は40代前半が多く、技術部門別には建設部門が過半数を占めます。それに続く部門としては、第1次試験では電気電子や機械、第2次試験では総合技術管理となっています。なお、すでに技術士であって総合技術管理部門を受験する場合には、筆記試験の選択科目は免除されます。

【目安】費用5~20万円(※第2次試験の場合)こんな勉強

 第1次試験(技術士補)の基礎科目は、設計理論・アルゴリズム・力学・バイオ・エネルギーなど科学技術全般の勉強になります。
 適性科目は、技術士法第4章の「技術士等の義務」について、信用失墜行為の禁止や秘密保持義務など各義務規程の中身を具体的・事例的に理解する勉強になります。
 共通科目は数学・物理・化学などから得意な2科目を選択しますが、レベル的には高校の教科よりも上になります。
 専門科目は、各業務部門の専門的な内容で、大学の学部で勉強する内容になります。
 基礎科目・適性科目・共通科目は参考書や問題集もたくさん出ていますが、専門科目は、部門によっては教材が少ないので、セミナーや講習会、スクールや通信講座も含めて検討することをお薦めします。
 第2次試験(技術士)の筆記試験は、専門分野での実践的な能力を問うような内容です。知識もさることながら、論述力が必要になります。報告書やレポートにふだんから慣れていない場合は、スクールや通信講座で論述のトレーニングをするのが効果的です。
 口頭試験は、技術的体験論文の内容に沿って、技術者としての経歴をいかにうまくプレゼンするかがポイントになりますから、プレゼンが苦手な場合は、やはりトレーニングが必要です。

参考書・問題集
  Amazon(本)
スクール
  JTEX<技術士講座>

試験概要

◆主催団体
  公益社団法人 日本技術士会
◆試験科目
●第1次試験(技術士補)
(1)基礎科目(科学技術全般の基礎知識)/(2)適性科目(技術士の義務規定遵守に関する適性)/(3)共通科目(数学・物理学・化学・生物学・地学から2科目選択)/(4)専門科目(選択した技術部門に関する基礎知識・専門知識)
●第2次試験(技術士)※技術部門ごとに実施
[筆記試験]:(1)選択科目(該当技術部門の中の選択科目の専門知識と応用能力)/(2)必須科目(該当技術部門全般にわたる論理的考察力・課題解決能力)
※「総合技術管理部門」は、(1)選択科目(上記の(1)(2)の内容)/(2)必須科目(総合技術管理部門に関する課題解決能力・応用能力)
[口頭試験]:技術士としての適格性と高等の専門的応用能力など
◆合格基準
●第1次試験(技術士補)
(1)基礎科目:40%以上の得点
(2)適性科目:50%以上の得点
(3)共通科目:2科目とも平均点以上の得点
(4)専門科目:40%以上の得点
(5)基礎科目と専門科目の合計:50%以上の得点
●第2次試験(技術士)
[筆記試験]:選択科目・必須科目のそれぞれが60%以上の得点
※「総合技術管理部門」は、選択科目((1)(2))のそれぞれが60%以上、かつ必須科目が60%以上の得点
[口頭試験]:60%以上の得点
◆合格率
●第1次試験(技術士補):概ね20~40%(※全20部門の平均合格率)
●第2次試験(技術士):概ね15%前後(※全21部門の平均合格率)


 
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