総合無線通信士

海上無線通信の上位の国家資格です。

職種・業界:

総合無線通信士

資格の種類:
試験方法 :
受験資格 :
受験申込日: 試験月の2ヵ月前の20日頃まで
試験実施日: [9月期]:9月上~中旬
[3月期]:3月上~中旬
合格発表日: 試験日の約1ヵ月後
受験地  : 札幌・仙台・東京・長野・名古屋・金沢・大阪・広島・松山・熊本・(枕崎)・那覇
※枕崎は第三級のみ
取得方法 : 試験合格後に免許申請
有効期限 : 生涯有効

【メリット】社内評価★★☆  こんな資格

 無線設備を操作するには、電波法に基づく無線従事者の免許が必要になります。免許は、無線の範囲に応じて、「総合」「海上」「航空」「陸上」の各業務分野と「アマチュア」の5つに分かれます。
 総合無線通信士は、船舶局(船の無線設備)や海岸局(港湾の無線設備)などの海上における無線通信免許ですが、GMDSS(衛星などを使った通信システム)のほかに昔ながらのモールス電信も扱える点で、同じ海上の免許である海上無線通信士と異なります。また、航空・陸上の一部など広範囲をカバーする資格でもあります。
 総合無線通信士には、第三級・第二級・第一級の3つの免許区分があり、第一級免許は、陸上無線技術士の第一級免許と並び、数ある無線従事者免許の中の最高峰に位置づけられています。
 総合無線通信士の免許を取るには、国家試験に合格して免許申請を行います。試験は免許区分ごとに行われ、誰でも受験できます。このほか、下位級取得後に一定期間の実務経験を積めば、所定の認定講習課程の修了によって無試験で上位級の免許を取得することもできます。
 総合無線通信士の主な職場は、船舶・海岸局・海上保安庁・電気通信事業者・無線機器メーカーなどですが、船舶の場合であれば、第一級は国際航海の船舶、第二級は近海区域の商用船舶、第三級は漁船といったように、免許区分によって活躍ステージが異なります。

【専門性】知識★★☆ 技能★★☆ こんな試験

 筆記試験と実地試験(電気通信術)から成ります。
 筆記試験は、第三級は2日間、第二・一級は3日間にわたって行われ、多肢選択問題が出題されます。概ね60%の得点が合格基準点ですが、第二・一級の英語科目については、英会話が35点満点中15点未満の場合は、科目不合格となります。
 実地試験は筆記試験と別日程で行われ、モールス電信の送信・受信が中心になります。和文・欧文暗語・欧文普通語の3種目について試され、3種目合計の得点が基準以上であることと、1種目でも30%(30点/100点満点)の得点を下回らないことが合格の条件になります。このほか、第二級は電話、第一級は電話と直接印刷電信の問題も出題されます。
 試験不合格の場合でも、合格基準に達した科目については、3年以内の試験に限り受験免除を受けられます。
 また、海上無線通信士や陸上無線技術士の免許を持っている場合にも科目免除が受けられる場合がありますし、所定の大学・高校・専門学校の情報通信関連学科を卒業している場合や、電気通信主任技術者工事担任者などの関連資格がある場合にも、一部科目の免除が受けられます。

【目安】費用2~10万円程度(※第三級の場合)こんな勉強

 一部免除認定校の場合も含めて、大学・高校や専門学校などで無線工学や電気・電子の勉強をしている場合には、筆記試験対策は、市販の参考書や問題集を使っての自学自習が可能です。
 無線工学の知識や素養にあまり自信がない場合は、いきなり総合無線通信士からスタートするのではなく、筆記試験のみのアマチュア無線技士の4級から始めて、アマチュア3級、アマチュア2級、総合3級と、順を追ってステップアップしていくのが一般的です。
 また、実地試験のモールス電信についても、実地の訓練が必要になりますので、アマチュア無線機を購入してハムを楽しみながら上達していく方が堅実です。
 なお、アマチュア無線技士の試験対策については、通信講座などもありますので、独学ではなくカリキュラムにしたがって効率的に勉強することもできます。

参考書・問題集
  Amazon(本)

試験概要

◆主催団体
  公益財団法人 日本無線協会
◆試験科目
●筆記試験
[第三級]:(1)無線工学の基礎/(2)無線工学/(3)法規/(4)地理/(5)英語(英文和訳・和文英訳)
[第二・一級]:(1)無線工学の基礎/(2)無線工学A/(3)無線工学B/(4)法規/(5)地理/(6)英語(英文和訳・和文英訳・英会話)
●実地試験(電気通信術)
[第三級]:(1)モールス電信(送信・受信)
[第二級]:(1)モールス電信(送信・受信)/(2)電話(送話・受話)
[第一級]:(1)モールス電信(送信・受信)/(2)電話(送話・受話)/(3)直接印刷電信(送信)
◆合格基準
●筆記試験
[第三級]:英語は57%(40/70点)以上、その他の科目は60%以上の得点
[第二・一級]:英語は57%(60/105点)以上、その他の科目は60%以上の得点
●実地試験(電気通信術)
[第三級]:送信・受信とも、63%(190/300点)以上の得点
[第二・一級]:(1)は送信・受信とも70%(210/300点)以上の得点、(2)は送信・受信とも80%(80/100点)以上の得点、(3)は80%(200/250字)以上の正確な入力
◆合格率
各級とも5%前後


 
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