陸上特殊無線技士
陸上の小規模無線設備を操作できる国家資格です。
職種・業界: | 電気・通信関連の資格 |
|
---|---|---|
資格の種類: | 国家資格(業務独占資格) | |
試験方法 : | 技能試験あり | |
受験資格 : | 原則、だれでも受験可能 | |
受験申込日: | 試験月の2ヵ月前の20日頃まで | |
試験実施日: | [6月期]:6月中旬 [10月期]:10月下旬 [2月期]:2月上旬 |
|
合格発表日: | 試験日の約半月後 | |
受験地 : | 札幌・仙台・東京・長野・名古屋・金沢・大阪・広島・松山・熊本・那覇 | |
取得方法 : | 試験合格後に免許申請 | |
有効期限 : | 生涯有効 |
【メリット】社内評価★☆☆ こんな資格
無線設備を操作するには、電波法に基づく無線従事者の免許が必要になります。免許は、無線の範囲に応じて、「総合」「海上」「航空」「陸上」の各業務分野と「アマチュア」の5つに分かれます。
陸上特殊無線技士は、陸上の無線設備の主に技術的な操作ができる免許です。同じ陸上無線の免許である陸上無線技術士がテレビやラジオなどの放送局の無線設備を扱う上位資格であるのに対して、陸上特殊無線技士は、多様な通信メディアに対応するために設けられた比較的取得しやすい免許という位置づけになります。
陸上特殊無線技士の免許を取るには、国家試験に合格して免許申請を行います。試験は、第三級・第二級・第一級と国内電信級の4つの免許区分ごとに行われ、誰でも受験できます。このほか、第三級・第二級・第一級については、所定の養成課程を修了することによって免許を取得することもできます。
第三級・第二級は、運送会社・タクシー・鉄道・警察・消防などの移動体無線の基地局にある無線設備が対象で、このうち、警察のスピード取り締まりのようにレーダーや衛星を使った無線設備は第二級の領域になります。
第一級は、NTT固定局などの多重無線設備やテレビ中継などの無線設備が対象で、第三級・第二級と較べると専門性も高くなります。
国内電信級は、無線設備の技術的操作ではなく通信操作に関する免許で、陸上自衛隊の無線局間の通信操作などが対象です。
【専門性】知識★☆☆ 技能★☆☆ こんな試験
第三級・第二級・第一級は筆記試験のみ、国内電信級は筆記試験と実地試験(電気通信術)から成ります。
筆記試験では、第三級・第二級・第一級は無線工学と法規の2科目、国内電信級は法規の1科目で、多肢選択問題が出題されます。各科目とも概ね67%(40/60点)以上の得点が合格基準点ですが、第一級の無線工学の合格基準については、63%(75/120点)以上と、問題のウエイトが高くなっています。
国内電信級の実地試験は、モールス電信(和文)の送信と受信に関する試験です。
【目安】費用1~3万円程度(※第一級の場合)こんな勉強
筆記試験対策は、市販の参考書や問題集を使っての自学自習が可能です。
第一級の無線工学については、簡単な関数など理科系の素養も必要になりますので、不得手な方は、講習会などに参加して教わりながら勉強するのが効率的でしょう。
国内電信級の実地試験については、モールス電信の実地訓練が必要です。アマチュア無線技士の4級から始めて、アマチュア無線機を購入してハムを楽しみながら上達していく方法もあります。
参考書・問題集
Amazon(本)
試験概要
◆主催団体
公益財団法人 日本無線協会
◆試験科目
●第三級・第二級・第一級
[筆記試験]:無線工学/法規
●国内電信級
[筆記試験]:法規
[実地試験(電気通信術)]:モールス電信(送信・受信)
◆合格基準
●第三・二級:2科目とも67%(40/60点)以上の得点
●第一級:無線工学は63%(75/120点)以上、法規は67%(40/60点)以上の得点
●国内電信級:筆記試験は67%(40/60点)以上、実地試験は送信・受信とも70%(70/100点)以上の得点
◆合格率
第三級:80~90%、第二級:70~80%、第一級・国内電信級:20~30%程度