公害防止管理者

特定工場に設置が義務づけられている国家資格です。

職種・業界:

公害

資格の種類:
試験方法 :
受験資格 :
受験申込日: 7月上~下旬
試験実施日: 10月上旬の日曜日
合格発表日: 12月中旬
受験地  : 札幌・仙台・東京・愛知・大阪・広島・高松・福岡・那覇
取得方法 : 試験合格
有効期限 : 生涯有効

【メリット】社内評価★★☆  こんな資格

 大気汚染や水質汚濁など公害発生のおそれがある特定工場では、公害防止管理者を置くことが法令で義務づけられています。特定工場とは、製造・加工業、電力供給業、ガス供給業、そしてボイラー温熱などの熱供給業のうち、ばい煙(けむり・すす)、汚水・廃液、粉じん(ちり)、騒音・振動、ダイオキシン類を発生させる施設がある工場です。
 公害防止管理者は、国家試験の合格者か、資格認定講習の修了者から選任されます。国家試験は誰でも受験できますが、資格認定講習を受けるには技術士などの技術資格があるか、学歴・実務経験の事前審査をパスすることが条件になります。
 国家試験は、大気関係・粉じん関係・水質関係・騒音振動関係・ダイオキシン類関係に大きく分かれ、さらに汚染物質の排出量や有害物質を含むかどうかによって、12の試験区分に細かく分かれます。
 公害防止管理者は、公害発生施設の責任者である場合が多く、具体的な業務としては施設の運転・維持・管理や燃料・原材料の検査などを行います。一つの工場に区分の異なる公害発生施設がある場合が多いため、施設ごとに公害防止管理者が設置され、工場責任者が公害防止統括者となって公害防止の組織的な取り組みを行います。
 また、一定規模以上の工場では、公害防止統括者を補佐し、公害防止管理者を指揮する部課長クラスの公害防止主任管理者の設置も義務づけられていて、この主任管理者もまた国家試験の合格者であることが要件となります。  公害防止管理者の資格は、工場技術者のキャリアアップに有利な資格として人気があります。

【専門性】知識★★☆  こんな試験

 公害発生施設ごとの12区分と、公害防止管理主任者を合わせた13の試験区分で行われます。
 大気関係と水質関係は、それぞれ4つに細分され、1種・2種は有害物質発生施設、3種・4種はそれ以外の施設になります。1種と3種は一定規模以上の施設です。
 粉じん関係は、石綿の発生施設である特定粉じんと、それ以外の一般粉じんの2つに区分されます。
 試験科目は全部で18科目あり、「公害総論」は全試験区分の共通科目ですが、それ以外は試験区分によって解答する科目が異なります。大気関係1種は6科目ありますが、2種は5科目と、試験区分によって科目数や問題数も異なります。
 各科目の問題は、試験区分に関わらず共通の問題で、5肢択一のマークシート形式です。
 合格ラインは各科目とも60%の正答率です。科目ごとの合格も認められていて、3年間で該当科目をすべて合格すれば、その試験区分の合格となります。また試験区分合格者が、別の試験区分を受験する場合、すでに合格している科目は免除されます。合格した試験区分が増えてくると科目免除も増えるため、1日で複数の試験区分を併願受験することも可能になってきます。

【目安】費用1~4万円(※大気関係の場合)こんな勉強

 全試験区分に共通の「公害総論」は、環境基本法と大気汚染・水質汚濁・土壌汚染などの各環境関連法規、公害防止管理者の根拠法である「特定工場における公害防止組織の整備に関する法律」、環境問題の歴史的背景から今日的問題、環境管理手法など、暗記中心の勉強になります。
 その他の科目は各分野に特化した内容になりますが、「○○概論」は法規や公害の発生メカニズム・影響、「○○特論」は防止技術などに関する勉強が中心となり、物理や化学の知識とともに、分析技術や数値計算といった専門知識がかなり必要になります。
 物理・化学の素養や該当区分の実務経験があれば、参考書や問題集を使って独学でも合格できますが、理数系が苦手な場合は、講習会や通信講座の利用をお薦めします。

参考書・問題集
  Amazon(テキスト・問題集)

試験概要

◆主催団体
  一般社団法人 産業環境管理協会
◆試験区分・科目
●大気関係([1種][2種][3種][4種])
(1)公害総論/(2)大気概論/(3)大気特論/(4)ばいじん・粉じん特論/(5)大気有害物質特論(※[1種][2種])/(6)大規模大気特論(※[1種][3種])
●粉じん関係([特定粉じん][一般粉じん])
(1)公害総論/(2)大気概論/(4)ばいじん・粉じん特論(※[特定粉じん])/(7)ばいじん・一般粉じん特論(※[一般粉じん])
●水質関係([1種][2種][3種][4種])
(1)公害総論/(8)水質概論/(9)汚水処理特論/(10)水質有害物質特論(※[1種][2種])/(11)大規模水質特論(※[1種][3種])
●騒音・振動関係
(1)公害総論/(12)騒音・振動概論/(13)騒音・振動特論
●ダイオキシン類関係
(1)公害総論/(14)ダイオキシン類概論/(15)ダイオキシン類特論
●主任管理者
(1)公害総論/(16)大気・水質概論/(17)大気関係技術特論/(18)水質関係技術特論
◆合格基準
各科目とも60%以上の得点
◆合格率
20%程度


 
    ステップアップするなら
 
    他の資格と比較するなら
公害防止管理者
    ステージを広げるなら
 
    基礎から学ぶなら